日本の伝統・和歌をかな文字で書く 日本の美

書遊庵・澄月の活動

日本の伝統である書の美を求めて修行する日々

書遊庵・澄月です。

日本が世界に誇れる伝統の一つである書。
その中でも女性が作り出した仮名文字。
その流麗な美に近づきたくて、古筆を練習する日々。

古筆と言っても沢山の種類があり、魅力も様々。
その中から現在練習中の古筆が「高野切」。

 

紀貫之が筆者という事で伝承されていますが、今日では未詳であるといわれています。
どなたが書いたものかわからないけれど、本当に美しいです。
練習を重ねるうちに、和歌の内容も知りたくなり、余白はいつの間にやらメモ代わりになってしまいました。

今回ご紹介する臨書は高野切第1種
和歌と簡単な意味はこちら。

今回ご紹介します和歌は、

1、天皇が「歌を奉れ」と仰せられた時に詠んで奉った歌

わが背子が衣はるさめふるごとに野辺の緑ぞ色まさりける(あの人の衣を洗いしわをのばす、そんな春の雨がふるごとに、野辺の緑が濃くなってゆく)

春にある女性が夫かもしくは兄弟の衣替えでもしているのでしょうか。。

 

2、詠み人しらず

ももちどりさへづる春は物事にあらたまれども我ぞふり行く(たくさんの鳥が楽し気にさえずる春は、見るもの聞くもの全て新しくなるけれど、春が来るたび私は古くなっていく)

春はいいなあと思いながらも、老いていく自分は悲しいと嘆いているのでしょうか。。

 

3、詠み人しらず

をちこちのたづきも知らぬ山中におぼつかなくも呼子鳥かな(あっちにいったらいいのか、こっちに行ったらいいのか、見当がつかない山の中で心細げに鳴く呼子鳥だ)

この当時、山中での遭難なんてとっても恐ろしかったでしょうね。。

 

書遊庵では、今回ご紹介しました様なかな文字作品を掛け軸作成も承っております。
興味をお持ちの方はお気軽にお問い合わせ下さい。