むかしむかし、漢字は男性だけが使うものだった??
皆様、こんにちは。
書遊庵・澄月です。
かな文字を習いたい。と言って来られる生徒さんに対し、場が和めばよいな~とお話する内容をお届けいたします。
むか~しの日本で漢字は男文字(男手)、かなは女文字(女手)って言われていた事を小耳に挟んだことありませんか?
むかしむかし、文字を持たなかった日本人は、お隣中国の文字(漢字)をそのまま音に当てはめ、拝借することにしました。(音と言うのは、あいうえお~のことです)
拝借することにした中国の文字は漢字しかないから、文書に表記されるのは漢字のみって当然ですね。
さらに、当時の日本人の間では、漢字は男性が使うもの。だったため、教養豊かな女性(読めるし書けるしバッチリよ。っといったキャリアウーマン)であっても女性が書いた文書が出回ることはありえない。っといった今では信じられないような環境だったそうです。。
そんな中で登場するのが、平安時代の女性たちが漢字をくずして作った ”かな文字” 通称 ”女手” です。
ひらりひらりと舞うように連なって書かれる、かな文字。
これを使い、当時の女性たちは和歌(ラブレター)をせっせ、せっせと書いていたそうな。
何とも優雅ですね。(庶民の識字率は限りなく低かったようですが)
すると、返事を書く時に、かなを使う男性が現れてきたようです。
土佐日記も紀貫之が、女性を装い書いた事で有名です。
こんな風に、漢字は男性、かなは女性といった当時の常識が少しずつ変えられていって男手や女手といった使用の区分はなくなっていったみたいです。
それにしても、平安時代に花開いた ”かな文字” は本当に優美です。
当時の日本人の文字への探求心、高い美的センスがうかがえる空間美、ほれぼれします。
こんなにも素晴らしい日本のかな文字を1人でも多くの方に親しんで貰いたいです。
静かな空間で文字を書く。
忙しい貴方のもとに新しい風が吹くかもしれません。